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涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏
Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。
柴田 大受; 角田 淳弥; 馬場 信一; 山地 雅俊*; 石原 正博; 伊与久 達夫; 辻 延昌*
Key Engineering Materials, 297-300, p.728 - 733, 2005/11
熱・機械的特性に優れるセラミックス材料は、高温ガス炉の炉内構造物への適用が期待されている。結晶粒径を微細化した3モル%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)セラミックスは、高温での超塑性現象を利用した圧延加工が可能であり有望な材料であるが、強度に関するデータは炉内構造物へ適用するために必要な設計基準を作るうえでは十分でない。本研究では、3Y-TZPセラミックスについて、室温で引張り,曲げ,圧縮試験を実施し、得られた強度データに基づき設計基準の概念検討を行った。その結果、平均の引張り強度は曲げ強度よりかなり小さく、応力条件下での正方晶から単斜晶への相変体機構を考慮することが重要であることを示した。また、得られた強度データをWeibull理論により確率論的に検討し、ジルコニア製構造物に対する設計基準の概念を提案した。
馬場 信一; 柴田 大受; 山地 雅俊*; 角田 淳弥; 石原 正博; 本橋 嘉信*; 沢 和弘
日本機械学会関東支部茨城講演会(2004)講演論文集(No.040-3), p.61 - 62, 2004/09
高温ガス炉への応用が期待されている超塑性セラミックスについて、3mol%イットリア含有正方晶ジルコニア多結晶体(3Y-TZP)を用いて、炉内構造物としての健全性を評価するうえで必要となる室温における曲げ及び圧縮強さを調べ、Weibull強度理論による強度特性を検討した結果、以下の結論を得た。(1)3点曲げ強さで得られた応力-ひずみ曲線はほぼ直線性を示し、弾性体の挙動が認められた。一方、圧縮試験で得られた応力-変位の関係には非線形性が認められた。(2)3点曲げ強さの支点間距離(スパン)依存性の実験結果は、Weibull強度理論による予測値とほぼ一致する。(3)曲げ弾性率と圧縮弾性率はほぼ一致する。また、スパン長さに比例して曲げ弾性率は低下する。(4)曲げ強度及び圧縮強度ともにWeibull確率分布によく適合し、Weibull係数mは曲げ及び圧縮でそれぞれ9.5及び26.5である。
小嶋 崇夫; 橘 幸男; 藤本 望; 石原 正博
Proceedings of 8th Annual International Conference on Composites Engineering (ICCE/8), p.479 - 480, 2001/00
高温ガス炉制御棒被覆管用C/Cコンポジット材料の候補材として、層間強度の異なる2種類の積層型炭素繊維複合材料、フェノール含浸処理を施したCX-2702G及びピッチ含浸処理を施したCX-270Gの引張試験,圧縮試験,曲げ試験及び層間せん断試験を行い、機械的特性を調べた。その結果、層間強度の高いCX-270GがCX-2702Gよりも機械的強度が優れていることが明らかになった。また、曲げ試験では引張,圧縮,層間せん断の3種類の破壊モードが混在する破壊様式であることがわかった。そこで、引張試験、圧縮試験及び層間せん断試験によって得られた強度データから曲げ強度を競合リスクモデルにより検討した。本検討により、引張強度,圧縮強度及び層間せん断強度から曲げ強度を精度良く予測することができた。
橘 幸男; 小嶋 崇夫; 塙 悟史; 石原 正博
Proceedings of 7th Annual International Conference on Composites Engineering (ICCE-7), p.841 - 842, 2000/00
将来高温ガス炉制御棒用C/Cコンポジット材料の候補材である東洋炭素(株)製CX-2702Gの室温での引張試験、圧縮試験及び曲げ試験を実施し強度特性を調べた。本材料は、引張強さ曲げ強さ圧縮強さの傾向を示し、曲げ強さは圧縮強さにより支配されている。圧縮強さは曲げ強さの6割程度であるが、この差異はワイブル係数を用いた確率論的評価を行うことで説明することができた。また、本材料の引張強さ及び圧縮強さのワイブル係数は両者ともに約11であり、構造強度に及ぼす寸法効果について考慮する必要があることを示した。
石原 正博; 伊与久 達夫; 塩沢 周策
Transactions of the 13th Int. Conf. on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT),Vol. II, 0, p.491 - 496, 1995/00
表面破壊と内部破壊の破壊モードを考慮した競合リスク理論に基づく黒鉛材料の破壊特性評価モデルを開発した。評価モデルでは、いわゆるWeakest Link Theoryの考え方を取り入れ、強度分布にワイブル分布を採用している。また、表面破壊の支配的な領域として黒鉛材料の最大粒径の体積を考慮した。評価モデルで用いる入力データは、表面破壊と内部破壊の生じ易いと考えられる引張強度試験の結果より定めた。HTTR用炉心支持黒鉛(PGX黒鉛)に対する4点曲げ試験及び炉心支持黒鉛構造物を模擬した1/4スケール部分モデルの破壊試験を実施し、本評価モデルの妥当性を明らかにした。
坂入 正敏; 水流 徹*
Proc. of the Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, p.497 - 506, 1992/00
中性塩化物水溶液中でステンレス鋼に発生する孔食萌芽(孔食の初期過程)に伴い定電位で発生する電流振動を測定し、統計的解析を行った。統計的解析には、信頼性工学で利用されているワイブル確率紙を用いた。孔食萌芽の発生率は、測定電位およびステンレス鋼中に介在する硫化物の数の増加に従って増加することが明らかになった。発生する孔食萠芽の大きさは、測定電位の増加およびステンレス鋼中の硫化物の大きさに従って大きくなることが明らかになった。以上の結果より、孔食萌芽はステンレス鋼の表面状態(硫化物の大きさ、分散状態)および測定電位により影響を受けることが示された。さらに、孔食萠芽には、それが測定可能になるための最小の大きさがあり、孔食萌芽の生存時間のワイブル確率紙プロットより求めた位置のパラメータから、半球状の孔食を仮定して計算すると、直径で約0.2mと求められた。
長谷川 市郎; 宮部 賢次郎; 都所 昭雄
PNC TN8410 91-157, 5 Pages, 1991/09
動燃事業団東海事業所の計測機器較正施設では,放射線管理用機器の定期点検・保守・較正などを行い,正常な機能・性能の維持に務めている。その一環として,効果的な予防保全の確立を目途として,これまでの経験に基づいて代表的な放射線管理機器についての故障発生状況を調べた。また,線ダストモニタに用いられるSi表面障壁型半導体検出器および線ダストモニタに使用されるGM計数管について統計的な故障解析を行った結果,それらがワイブル分布に従うことがことが分かった。予防保全法としては,GM管ではエージングが,Si検出器では平均故障間隔における点検がそれぞれ有効である。
赤堀 光雄; 柴 是行
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(6), p.466 - 475, 1984/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉用ThOおよび(Th、U)O燃料核の圧縮破壊強度を単純圧縮試験により推定し、その破壊機構に関連して検討した。破壊強度はワイブル分布を仮定して統計処理した。Hertzの接触理論の適用により、妥当な圧縮破壊強度を評価することができ、ThO核では1.7~1.9GPaの値を得た。燃料核の破壊強度と組織との間には密接な関連があり、結晶粒径が小さく、表面が清らかであるほど強度が高くなることがわかった。破壊は、粒径が小さい場合に粒内で、一方大きい場合には粒界で起こるようであった。接触面境界近くの表面、もしくは表面近傍にあるキズなどが破壊の源として働くことがわかった。